『ほんとうに頭が良くなる世界最高の子ども英語』を読んだので、レビューします。
子どもの英語教育に関する本はたくさん出版されていて、きっとどれを読んでいいのか迷ってしまうこともあると思います。
この記事では、この本の特徴を紹介し、どんな人にとって有益な本なのかを紹介します。
なお、感想は、完全に私の主観になりますので、よろしくー。
全体的感想 オススメ度【★☆☆】
子どもに英語を教えるにあたって、何をすれば良いのかが具体的に書いてある実践本でした。
使える英語のフレーズや、オススメの英語の本、ウェブ教材などが載っています。
ただ、私の期待することはあまり載っていなかったので、オススメ度は【★☆☆】。
(あとで触れますが、具体的な教材や実践的なことが知りたい人には良い本かと思います)
その理由(期待外れだった点)やこの本の良かった点を紹介します。
この記事を読めば、どんな人にはこの本が有益なのか、どんな人にはオススメできないのか、というのがわかると思います。
期待外れだった点
タイトルから期待する内容が書かれていない
本を買うときは、みなさん何を見て買うでしょう?
私が本を選ぶ時のポイントは次の通り。
私がこの本をなぜ買ったか。私が魅力を感じたのは次の3点。
ここから期待したのは、「科学的根拠を示しながら、英語教育に関して語ってくれるんだろうな」ということ。科学好きの私はワクワクでした。
でも実際は、科学的根拠については全然触れていなくて、著者ご自身の経験値に基づいた内容でした。
「ほんとうに頭がよくなる」というタイトルにはあるけれど、ここに書かれている教育を実際に行なったとしても、それが「ほんとうに頭をよくするのか」ということは疑問。根拠がないのでね。
全体的に、タイトルや表紙の文句と本の内容がマッチしていないので、期待していたものが得られなかったなーという感じです。
これは著者の方ではなくて出版社側の問題な気がしますが。
塾の宣伝っぽい
著者の方がやられているJ PREPという塾の教育について書かれている部分が多いので、途中どうしても「塾の宣伝本?」と感じてしまうことがありました。
ここの塾に入ろうか悩んでいる方にとっては、すごく参考になると思います。
説得力に欠ける書き方
元研究者、元大学の先生が書かれているし、表紙に「科学的根拠に基づいた」と書かれているので、どうしても、客観的データや研究結果を踏まえて論じてくれることを期待してしまう…
でも、この本はそういったことは書かれておらず、実践的なことばかりが書かれているので、説得力に欠けるなーと感じました。
これも、「実践本だ」と思って買っていたら別にいいんですけど、科学的根拠を期待していたのでね。
日本の教育に対する批判的態度
「イェールに留学するほどの日本人でも、この程度の英語力、いやそれ以前に、思考力や表現力が不足しているのだとすると、日本の教育は『欠陥だらけ』だと結論するしかなかった…」
『ほんとうに頭が良くなる世界最高の子ども英語』p.8
という記載からもわかるように、著者の方は日本の教育に対して批判的です。
私は息子をインターに入れてから、日本の教育制度って子どもが広く学べるようにうまく設計されてるなーと感じてきたところだったので、頭ごなしに批判的な印象をうけ、「批判するのであれば、どういう点がどうしてダメなのか、というところも知りたいな…」と思いました。
共感できた点
上ではいろいろ批判的なことを書いてきました。
私が(勝手に)期待していた情報は少なかったですが、この本が全然参考にならない…という訳ではないです。
ここでは、共感できた点を紹介していきます。
教育に対する基本的な姿勢
この本に書かれた教育に対する姿勢は、私もおおむね賛成でした。
例えば、「子どもの英語っていうのは、しょせんこどもの言葉だから、『大人の英語』を身につけないと将来使えないんだよ」という点とか、「臨界期っていうのは母語の獲得についての仮説なので、○才からでは遅い、という情報に振り回される必要ないよ」という点とか。
特に、「Chapter4優秀な親ほど誤解する5つのこと」は、本当によくある誤解なので、読む価値ありだと思います。
フォニックスを学ぼう
息子がインターでフォニックスにかなり力を入れていて、どうして日本ではフォニックス教えないんだろう…と感じています。
フォニックスは、知っていると綴りから音を容易に推測できるようになります。
この本でもフォニックスの学習を強く勧めています。
具体的なオススメ教材
具体的なオススメ教材がたくさん紹介されています。
本やアプリ、DVDやweb教材、様々な形態の教材があるので、おうち英語をやっている人にはありがたいハズ。
知らない教材もたくさん出てきて、参考になりました。
まとめ
『ほんとうに頭がよくなる世界最高の子ども英語』は表紙に書いてある文句と中身のずれがあります。
でも、著者の方の教育に対する考え方は(一部疑問もあったけど)、おおむね賛成できました。
子どもにどうやって英語を教えようか悩んでいる方には、実践的な部分が教材と共に書かれているので参考になるかと思います。
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