勉強がよくできる人、運動が得意な人、音楽に優れた能力をみせる人…
うちの子もあんなふうになって欲しいな。
親ならそう思うことありますよね。
でも、うちの子はどんな分野で活躍できるのだろう?
ここでは『日本人の9割が知らない遺伝の真実』という本を元に、科学的研究結果を踏まえた、子供の才能の見つけ方と才能を開花させる方法を考えてみます。
著者の安藤寿康先生は行動遺伝学ご専門の慶應大学の先生。
この本は、遺伝に関する研究結果やデータを元に、遺伝や環境がどのくらい人間の形質を決めるのに影響しているのかを、とてもわかりやすく解説していて、本当におもしろくてワクワクして読みました。
私の子供の教育方針にも、大きく影響を与えてくれた1冊です。
才能にまつわる衝撃的事実
人の形質を決めるものーー遺伝と環境
うちの息子は、2歳くらいから動物にすごい興味を見せはじめて、
動物➡️恐竜➡️魚➡️昆虫➡️鳥
と興味の幅を広げはじめました。
とくに動物に対する英才教育した覚えはないんだけどね。
安藤先生の本によると、人の形質を決めるのは遺伝と環境。
環境は「共有環境」と「非共有環境」という2つに分けられます。
兄弟でする違った経験なんかは非共有環境に入ります。
たとえば、お友達や学校、習い事とか。
共有環境は逆に、兄弟に同じ影響を与えるもので、家庭の影響なんかはこっち。
でもこの解釈は、超単純化していて、共有環境と非共有環境とをきっちり分けるのは難しいのだそう。
この辺の議論を知りたい場合は、『日本人の9割が知らない遺伝の真実』を読んでくださいね。
遺伝や環境はどのくらい影響する?
遺伝と環境で人の形質が決まるなんてあたりまえじゃん、と思いますよね。
驚くべきは、それぞれがどのくらい影響しているかの割合なんです。
『日本人の9割が知らない遺伝の真実』p.81
この図からわかるように、ほとんどの形質の半分以上が遺伝で決まってしまっているというのです。
特に才能に関しては、音楽、執筆、算数、スポーツの遺伝の占める割合が相当高くなっています。
さらには、「共有環境」はほとんどの形質に関してあまり寄与していないことがわかります。
この衝撃的な数字を見て、どう思いますか?
「うわー、遺伝で半分決まってるなら遺伝的に優れてなかったら無理じゃん」
「共有環境の影響がないってことは、親は何やっても無駄ってこと!?」
そう思った人も多いと思います。
私はこの数字を見て、こう思いました。
半分遺伝で決まってるって、これちょー使えるじゃん❣️
子供の才能の見つけ方と開花させる方法
才能の見つけ方
「こんな研究結果、受け入れたくない!」という人もたくさんいると思います。
ただ、これは研究者の方々が慎重な科学的調査を行った上での結果。
教育方針を考えるなら、受け入れ難くも、受け入れつつ決めるのが最良の策です。
しかも大事なのは、”親の影響がほとんどない”と言っても、親がやってあげられることってたくさんあるということなんですょね。
うちの息子が生き物に強い興味を示している話を上でしましたが、これはきっと遺伝的に決まっていて、親がどうこうコントロールしたものではないです。
遺伝的に決まっていたものが、動物に触れたり見たりすることで親にも見える形で現れてきたのです。
逆に、弟君の方は動物や生き物にそれほど特別な興味を示しません。
お兄ちゃんと一緒に動物のおもちゃで遊んだり、動物園にも行ってるのに。
きっと、動物好きにさせようと、あれこれ親がやったところで、お兄ちゃんのようにはならないでしょう。
つまり、才能を見つけるために親ができることは、以下の3つだと思っています。
基本的なことだけど、意外とできていなかったりする。
勉強の得意不得意も、才能は半分遺伝で決まっているのです。
だから、もし勉強がイマイチならば、他で光る分野を見つけてあげればいい。
(わかっていても、勉強になると、諦めがなかなかつかないですょね…)
何が好きかは、やってみないとわからない。
だから、好きな分野が見つかるように、いろんな体験をさせてあげて、子供の反応をよく見て、好きなことなのかどうなのか気づいてあげることが、親が子供の才能を見つける方法なのだと思います。
才能を開花させる方法
子供の素質として(遺伝的に決まった)好きなものが分かったら、あとはそれを伸ばせる環境を用意してあげる。
才能は、だいたいが半分は遺伝、半分は非共有環境で決まるのです。
だから、好きなことが見つかったら、その能力を最大限に伸ばせるように親が環境を作ってあげればいい。
うちは生き物好きな息子のために沖縄の美ら海水族館、北海道の旭山動物園、福井の福井県立恐竜博物館…日本全国に飛びました。
本物を見ることで、さらなる学習意欲も湧いてくるし、新しいことを知るとまた本物が見たくなる…
という良いサイクルに、息子は入りました。
おまけ
人の形質を決めるのは半分が遺伝、半分が環境。
親がどんなに「勉強できるようになってほしいー!」と意気込んでも、子供は親の思うようには育たないんですょね。
今回は安藤先生の『日本人の9割が知らない遺伝の真実』を参考に、子供の才能の見つけ、開花させる方法を考えてみました。
この本は、私がトップクラスにオススメする良書です。
素晴らしいのは、安藤先生の教育観。
「『××した時は、もっと褒めるようにしましょう』など、様々な子育てテクニックが紹介されていますが、そうしたテクニックの効果は、行動遺伝学の立場から考えると、あまり期待できません。」
「ここで大事なのは、子育て本のパターン通りに誰にでも当てはまる教科書のようなかかわりをするのではなく、自分が経て来た経験に根ざす価値観に基づいて子どもの中にある形質を見つけるように努力することだと思います。」
「『うちの子どもにはあまりパッとしたところがない』、そういうときこそ自分の経験や知識を総動員して、どんなことに向いているのかを真剣に考えてあげる。ある分野に通じた人に子どもを合わせたり、いろんな経験をさせたりして、社会的・文化的に価値あると親が考える刺激を与えるといったことが大事だと思います。お金をかけなくともできることはたくさんあります。親にできるのは、本来そういう当たり前のことだけだと思われます。
『日本人の9割が知らない遺伝の真実』
つまり、親ができることは、以下の2つ。
愛ですね❤️
『日本人の9割が知らない遺伝の真実』はなかなか出会えない超良書なので、ぜひ読んで、子育てに生かしてみてください。
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